Update : 2019.07.31

「バイリンガル」ってどんな人?:「私もバイリンガルになれますか?」

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「バイリンガル」ってどんな人?
「私もバイリンガルになれますか?」

 

 

 

こんにちは。校長のMariです。

今日は生徒さんにもよく聞かれる「バイリンガル」について少し書いてみたいと思います。

 

「あの子、バイリンガルなんだってー。いいなー。」という声をよく聞きます。

「バイリンガルの人って、言いたいことをどちらの言語でも

全く同じスラスラ度で言える人なんですよね?」とも聞かれます。

 

 

 

 

実は「バイリンガル」の定義づけは研究によって様々で、

おまけに「同じくらいスラスラ」ってけっこう主観的な感覚であったりもしますよね。

 

じゃあ、「カナダで生まれた人?」

→でも、カナダで生まれてすぐに日本に行ってそこで育った人は、

逆に英語が苦手っておっしゃいます…。

じゃあ、「ある程度の子供時代をカナダで過ごした人?」

→”ある程度“って一体何歳まで?

 

カナダだけではなく、「英語圏で育った人!」
じゃあ、どこまでを“英語圏”ととらえる?
フィリピンやマレーシア、インドは?

 

などなど。

定義づけが本当に難しいんです。

 

 

なのでいろいろ一概には言えないことが多いのが事実で、
定義も「広義」「狭義」あるので、
「コレが『バイリンガル』だ!!」というつもりはここではありません。

というか、その中でも確実に言えることを少し書いてみますので、

もしかしたら、あなたの中の「バイリンガル」の定義が

少し変わるかもしれません。

 

二言語どちらでも同程度のスピードとボキャブラリーを使って表現ができる、という現象を

perfect bilingualism

と呼びます。

実際私が会った多くの生徒さんが、
いわゆる「バイリンガルってこういう人」と思っておられるモデルに一番近い?
かと思われるケースでしょうか。

 

ですが、

 

perfect bilingualismはほんっっっっっっっっっっとーーにレアケースで、

例えば日系の家族でカナダで育ったからといって、

「勝手に」なれるものではないと考えられています。

 

なのでバイリンガルと言われる方々の多くの場合が、やはり、

・どちらかの言語が自分の思考の基礎となる言語と認識されていて、
そちらの言語の方が(程度の差はあれ)強い・使いやすいと感じている。

・また、トピックによっても強い・使いやすい言語があったりもするので、

例えば数学は英語で説明する方が得意だが、日本のアイドル文化については
日本語の方が説明しやすい、といった感じです。

 

例えば私自身を例にとると、

 

【どちらの言語が思考言語だと思われるか】

を自分なりに考えてみたところ、

どちらの言語の方が速く情報処理ができるか、とか、

どちらの言語の方が速く読めるか、をものさしにすると、

やはり学校教育の大半を受けてきた「日本語」が思考言語かと思っています。

 

一方、

【トピックによって使いやすい言語が異なるか】

については、

話にオチをつけたい(おもしろいことを言いたい)時には
日本語ーーもっと細かく言うと「関西弁」が一番しっくりきますが、

授業で英語や発音の説明をするのは「英語」が一番心地いいです。

また、トピックがなんであれ、論理立てて説明するという場合も、

「英語」の方がうまくいくことが多い気がしています。

 

これはおそらく、
日本の教育で「物事の説明」を練習する機会があまりなかった一方、

英語で大学院の勉強をした経験上、
説明となると英語の方が得意なのかな
と思っています。

あくまで主観的に、です。

 

一番最初の質問に戻ると、

「同じくらいスラスラと・・・」というのは
よっぽどのperfect bilingualの方でない限り、

どちらかの方が少し強かったり弱かったりはする場合の方が
多いと思われます。

 

ではいったい何をもってしてバイリンガルだと言えるのか!?
って思いますよね。

 

私もこのテーマについて、大学院生だったその昔、

すっごい迷いに迷った覚えがあります…。

 

研究分野ではいろいろあるかと思いますが、

あくまでも私が数千人の日本人留学生を教える中で現実的にたどり着いた答えは、

 

「両言語である程度の事を成すことができると、
本人が納得して感じている場合」

 

その人はきっとバイリンガルと言えるのかな、と。

 

むしろものすごい主観的な側面もあったりして、

「ある程度の事を成すことができる」とどの段階で思えるのか、は、

本人次第だったりもするのでしょうが、

でもやっぱり、事を成すことができているなと感じることができるのは、

その場にいた周りの人たちとコミュニケーションをしたその反応にも

基づいてるわけで。

そういった意味では、100%主観的だとも言えないかな。

 

そういったコミュニケーションを続けながら、

ある時ふと、

「あ、10の場面のうち7〜8場面で、

周りの反応もよく

自分の言っていることが伝わっているな」

と納得できた段階で、

人は自分の中にbilingualismを

感じ始めるということもあるのかな、と。

 

そう考えた場合、私がよく上級の生徒さんに言っているのは、

「文法も単語も発音も高いレベルまで来たのだから、

いつまでも自分が『英語学習者』だと思わず、

『英語話者』だというアイデンティティを持ち始めてね」

 

この言語が自分の一部なんだ、と感じるまで、

もしくは、せめてそう感じられる少し手前まで、

英語のスピーキング指導をしながら生徒さんと一緒に歩んでいきたいです。

 

「私はカナダで生まれてないから
バイリンガルじゃないです」

とはちょっと違う「バイリンガル」の考え方。

 

いかがでしたか?

 

「バイリンガル」の一面的な定義づけにとらわれず、

英語話者である日本人
もっともっと育てていきたいと思っています。

 

 

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